日本の人手不足はますます深刻化しています。とくに介護・建設・外食・農業などの分野では、外国人材の力なしには日々の業務が立ち行かないという現場が多くなってきました。
そうした中で大きな制度変更が予定されています。30年以上続いた技能実習制度は2027年をもって廃止され、新たに「育成就労制度」へと生まれ変わります。この新制度は、単なる名称の変更ではなく、外国人材の受け入れの考え方そのものを大きく見直す内容となっています。
本記事では、「育成就労制度とはどのような制度なのか?」「現行の技能実習制度と何が違うのか?」をわかりやすく解説します。
■ 育成就労制度とは?
「育成就労制度」は、2027年に本格導入が予定されている新しい外国人労働制度です。この制度の最大の特徴は、「人材育成」を目的にしながらも、労働者としての権利やキャリア形成を重視した就労制度である点です。
これまでの技能実習制度は、表向きには「途上国への技能移転」が目的とされてきましたが、実態としては「人手不足対策」としての側面が強く、多くの課題が指摘されてきました。育成就労制度では、そうした問題点を見直し、より現実的かつ持続可能な制度を目指しています。
■ 育成就労制度のポイント
育成就労制度には以下のような特徴があります:
◯ 1. 3年間の『育成フェーズ』
育成就労制度の3年間は『育成フェーズ』として位置付けられています。この期間には、業務に必要なスキルの習得、日本語の学習、職場・地域への適応など、定着に必要な要素が重視されます。
企業側には「育成計画」の策定が求められ、単なる労働力として使うのではなく、「人を育てる」という前提のもとで受け入れが行われます。
◯ 2. キャリアステップの明確化
育成期間を修了した人材は、特定技能など上位資格に移行することが制度上明確に想定されています。これにより、「育成 → 就労 → 定住」への道筋が制度化され、外国人本人にとっても将来を見据えた働き方が可能になります。
◯ 3. 業種は11分野に限定
受け入れが許可される業種は、現行の特定技能制度と同じく11の産業分野に限定されます。介護、建設、農業、外食、ビルクリーニングなどが対象です。技能移転ではなく「業務に必要な技能の習得と活用」が目的となります。
◯ 4. 人権保護・支援体制の強化
外国人労働者の相談窓口や支援団体との連携、情報提供の義務化などが強化されます。また、受け入れ企業は労働環境や待遇について国の監督を受けることになり、不適切な運用を防ぐ体制が整えられます。
■ 技能実習制度との主な違い
以下に、現行の技能実習制度と育成就労制度の違いを比較表でまとめます。
項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度(2027年~) |
---|---|---|
主目的 | 技能移転(国際貢献) | 人材育成+労働力確保 |
就労目的 | 建前は教育、実態は労働 | 明確に「労働」を前提 |
在留期間 | 原則3年(最長5年) | 3年の育成→上位資格へ移行可能 |
転職の可否 | 原則不可 | 一定条件で可能(転職支援あり) |
対象業種 | 制限なし(拡大傾向) | 11分野に限定(特定技能と連携) |
支援体制 | 基本は監理団体任せ | 国と支援機関が直接関与 |
技能実習制度では「転職が原則禁止」「監理団体依存」などの構造的な問題が多く、悪質なブローカーや人権侵害の温床になるケースも指摘されてきました。育成就労制度では、これらを見直し、より透明で公平な制度運用が目指されています。
■ 育成就労制度が企業にもたらすメリット
新制度は、外国人にとってだけでなく、受け入れる企業側にとっても多くのメリットがあります。
長期的な人材確保が可能に
育成フェーズを経たうえで特定技能に移行してもらうことで、即戦力かつ定着力の高い人材として活躍が期待できます。
制度設計が分かりやすくなる
これまで分かりにくかった「技能実習 → 特定技能」の流れが制度上明確になり、計画的な採用・育成がしやすくなります。
企業の信頼性向上にもつながる
人権に配慮した労働環境の整備は、SDGsやESG経営の観点からも高く評価されます。
■ まとめ:人材の“受け入れ”から“育成”へ
2027年にスタートする育成就労制度は、日本の外国人労働政策の大きな転換点になります。これまでのように「足りないから雇う」だけではなく、「共に働き、育て、支え合う」という視点が強く求められる時代へと進んでいくのです。
受け入れ企業は、単なる制度対応ではなく、人材育成・職場環境整備・長期的なキャリア支援といった観点での取り組みが必要不可欠になります。
今後、外国人人材との共生社会を築いていく上で、育成就労制度はその土台となる重要な仕組みになるでしょう。制度の本格施行に向けて、今から準備を進めておくことが、企業の未来を支える第一歩となります。
日本医療介護協同組合は、介護福祉士を目指す技能実習・特定技能の人材受け入れ支援を通じて、組合員の経営合理化・サービス向上を目指す協同組合です。受け入れ 準備から配属後もずっと、密なコミュニケーションと手厚いサポートが特徴です。日本とアジアの医療・介護の未来を明るく照らす優秀な若手人材の育成と確保に貢献します。
外国人人材を検討されている方は是非一度お問合せください。